LOHAS倶楽部通信 vol.12  2006.10

LOHAS12.jpg

1)丘の上から見た、美しい白川郷の荻町集落。これから雪深い冬を迎える 2)雪を滑り落とすための急勾配の茅葺の屋根は断熱効果もある 3)町家の出格子などのこげ茶の塗装は、弁柄(紅殻・べんがら)・松煤・柿渋をあわせた自然塗料
  
  

美しい日本の風景


視察で訪れた初秋の飛騨高山と白川郷の美しい風景です。町家が並ぶ飛騨の高山の町、そして白川郷は伝統的な合掌づくりの家で今や世界遺産としても有名になりました。気候が違いますから九州地方では見られない造りとなっていますが、日本の町家と農家を代表する民家建築のひとつで、郷愁を感じてしまいます。

長い時を経ても美しい姿を留めているのは、自然素材に生活文化が重なって醸し出された経年美。そしてそれぞれのデザインや形に、実用・生活という意味があり、「用と美の調和」がなされた住まいだからといえるでしょう。この建築を保存するために地元の人は、現代では快適とはいえない生活を強いられている部分があるのも事実ですが、そこには町並みを共通財産として守る姿勢があります。また、それぞれの建築から先人の知恵を学ぶことができ、土地の自然を活用し、風土、生活に合わせた住まいづくりの原点にあらためて気づかされます。
ヨーロッパをはじめ、海外の美しい住まいや町並み、風景が守られているのは、このような共通した住まいへの考えがあるからのように思います。飛騨高山も白川郷も、山に囲まれ、異文化が入ってくる機会も少なく、戦争で焼けることがなかったことで持続共有された文化でもあるでしょう。戦後の日本の住まいは、焼け野原になり、とりあえず住むところを確保する、という貧しいところからの出発でした。今、自然素材がブームのようにさえなっていますが、戦争がなかったら、科学の進歩があるとはいえ、日本の住まいづくりの文化はおそらく違う歴史を歩んでいたのかもしれません。