私たちの人生の中で、住まいを建てるということは、最も大きな出来事の一つです。
ところが、最近では、住まいを新築したために体に変調をきたす人が増えています。
いわゆるシックハウス症候群や化学物質過敏症で、アレルギー症状の増悪の要因ともなっています。
その背景には、建築そのものが戦後大きく 変化したことが原因となっています。
古来、日本家屋は夏を涼しく住まうために風通しのよさを一番に考えて建てられてきましたが、現代では省エネ優先で気密性が 高い工法となり、さらに使用する材料も人工的な新建材ばかりになってしまいました。
その結果、その人工的な新建材から揮発する様々な化学物質が人体に害を与えるようになってきているのです。
特に戦後の住宅建築の手法は、床材は無垢のヒノキやスギからフローリングと言われる合板フロア材に変わり、壁は、調湿性のある塗り壁から調湿性の無いビニールクロスに変わってきました。最近は塩ビを含まない事を売りにしたエコクロスなるものも出てきていますが、廃棄後の焼却時にダイオキシンを発生させる事が無いという特徴はあるものの、素材特性としては従来のビニールクロスと一緒で殆ど調湿性の無い素材です。日本古来の文化の一つである畳の表の材料であるイグサについても、住まい手はちょっと色ムラがあると畳屋さんにクレームを言いました。
それが積み重なり、いぐさの泥染めの時に化学的な着色料を大量に混入するようになりました。
そんな物作りの思想が人にやさしいかどうかは、もう説明するまでもありません。
自然素材で五感に心地よい住まいをつくる、これが私たちの素材選定のコンセプトです。
可能な限り、トレーサビリティ(生産履歴)の確認出来るオーガニックな素材を使って住まいをつくります。
新築をされる時に、素材選びを会社任せにせずに、本当に人にやさしい“素材”について勉強してみませんか?