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棟札に思うこと

こんにちは。設計部のMです。

リノベーション工事にあたり、建物は解体され、基礎と柱・梁、屋根の小屋組だけを残した状態になることが多々あります。
この状態で、改めて柱や梁の位置や寸法、傷みや歪みの有無、互いの荷重のかかり方、金物の状態等を確認していくのですが、
ふと見上げるとそこにあるのが「棟札」です。

「棟札」とは建物新築の棟上げの際や改築時に、施主様のお名前や建築に携わった棟梁や職方さんのお名前、建物の由緒、上棟の年月日などを記載し、家で一番高い位置にくる棟木や束に打ち付け、小屋裏として塞がれる空間で大切に保管される木の札です。家を守る意味を持つお札と一緒に保管されていることもあります。
この風習は古来からあり、当初は棟木に直接記載していたそうですが、やがて札に書かれるようになり、古い棟札としては、平安時代後期のものも現存しているそうです。

そんな伝統ある棟札。いつも存在感をもってそこにあります。
何十年も前、古くは百年近く前の年月日と、持ち主だった方のお名前や棟梁のお名前(多くは今回のリノベーションの施主様のお祖父様やお父様のお名前)が刻まれています。
上棟の日の年齢なども刻まれていたりして、遠い昔のそのハレの日の一日に思いを馳せてしまいます。
そして、その日から雨風、地震に耐え、火災にも合わず、住むご家族の命を守りながら無事に生きてきた姿にひそかにジンとくるのでした。
脈々と受け継がれていくものを大切にして、新たにまた長い年月を愛される家として住み継がれていくよう、身を引き締め、家づくりに励む決意をする瞬間でもあります。

古い棟札はほとんどのお家で、リノベーション後も廃棄されることなく、同じ位置でまた大切に保管されていきます。
新築される皆様は、あの棟札が50年先100年先の誰かが見つける時の姿を、リノベされる皆様は、解体時に我が家を住み継いできた人々の歴史に思いを馳せてみるのもお勧めですよ♪